30 Dec 2009
曹操の詩をもう一編。官渡の戦いで袁紹を倒した後、甥の高幹らを討伐に向かう最中の行軍を詠んだものだが、タイトルからして痛々しい。乱世の奸雄も、決して楽に生きていたわけではないようだ。
「苦寒行」
北のかた太行の山に上れば
苦しきかな何ぞ巍巍たる
羊腸のごとく坂は折れ曲り
車の輪は之が為に砕く
樹木の音は何ぞ蕭しき
北風の声はいまや悲し
熊と羆は我を見てうずくまり
虎と豹は路を挟みて啼く
渓谷に人影少なく
雪は霏々と降りしきる
頸を延ばして長く嘆息す
遠き旅は懐う所多し
我が心何ぞふさぎ鬱ぼるるや
一たび東に帰らんと思い欲うに
水深くして橋は落ち
路を半ばにしていまし徘徊す
迷い惑いてもとの路を失い
黄昏て宿り棲むところ無し
行き行きて日ましに遠く
人馬時を同じくして飢えたり
嚢を担いて行きて薪を取り
氷を割りて糜をたく
悲しきは彼の東山の詩
口ずさめば切なき思いこみあぐる
「苦寒行」
北のかた太行の山に上れば
苦しきかな何ぞ巍巍たる
羊腸のごとく坂は折れ曲り
車の輪は之が為に砕く
樹木の音は何ぞ蕭しき
北風の声はいまや悲し
熊と羆は我を見てうずくまり
虎と豹は路を挟みて啼く
渓谷に人影少なく
雪は霏々と降りしきる
頸を延ばして長く嘆息す
遠き旅は懐う所多し
我が心何ぞふさぎ鬱ぼるるや
一たび東に帰らんと思い欲うに
水深くして橋は落ち
路を半ばにしていまし徘徊す
迷い惑いてもとの路を失い
黄昏て宿り棲むところ無し
行き行きて日ましに遠く
人馬時を同じくして飢えたり
嚢を担いて行きて薪を取り
氷を割りて糜をたく
悲しきは彼の東山の詩
口ずさめば切なき思いこみあぐる